売上をあげていくということは経営者に方にとっては、永遠のテーマと言えます。
年商や年収はステータスのという一面もありますが、売上を安定的にあげていくことは何より経営に安定感を与えてくれます。
今回は売上を効率的に増やしていく基本的な考え方をお伝えします。
売上を増やしていくためのヒントとして活用していただければと思います。
売上をあげるために基本的に必要なもの
まずは売上をあげるために必ず必要なものを確認していきます。
資源
一番最初に必要なのが資源です。
リソースなどと表現することもありますが、これが無ければ売上を上げることはできません。
売上の基になる材料・商品・サービス・お店や事務所・機械などが該当します。
この資源・リソースが大きければ大きいほど売上が上がる可能性は増えます。
逆に小さければ売上は限定されてしまいます。
そんなわけでなるべく大きくしたいところですが、ただやみくも増やせばいいものではなく、事業の規模・リスクなどを総合的に判断して大きくしていく必要があります。
どちらにしても売上を構成するうえで基本になる重要な要素となります。
価値
資源・リソースだけがあっても利益が出る売上をあげることはできません。
そこに価値を付加していくことで売上と利益は増えていきます。
お店であれば綺麗で雰囲気のいい内装が価値となりますし、サービスであれば独自のノウハウやそのお店でしかできない上質なサービスが大きな価値となります。
逆に独自の価値が無ければ、資源と販売価格が近くなってしまって粗利が少なくなります。
そうなるといくら売っても利益は出せません。
企業やお店の独自の価値を出していくことは、売上をあげていくうえでとても重要なことになります。
販売
資源と価値が揃ったらその商品やサービスを販売する必要があります。
宣伝したり営業したりすることでその商品やサービスが買われて売上になります。
せっかくいい商品やサービスがあってもそれを求めている相手にアピールして買ってもらうことが出来なければ売上を上げることはできません。
販売活動であるセールスとマーケティングは売上をあげるために重要な要素となります。
また販売活動は商品やサービスを適正な価値で提供するためにとても重要な役割を果たしています。
バランスの重要性
資源・価値・販売この三つが揃って初めて売上をあげることができることになります。
このバランスはとても重要です。
このバランスが大きく崩れると様々な問題が生じます。
代表的な例は以下の通りです。
・資源だけ必要以上に大きくする→経費負担が大きくなる
・価値が低い→いくら売っても利益がでない
・販売活動だけが先行する→資源・人手などが不足して対応不能になる
このようなことが起きないようこの三つの要素をバランスよく増やしていくことが大事です。
売上が増えない問題点を見つける
売上が思うようにあがらないという場合は、前項で掲げた三つの要素のどれかが不足していることになります。
何が原因で売上が増やせないのか?
そのボトルネックを見つけることで、効率よく売上を改善していくことが出来るようになります。
資源に問題があるケース
資源に問題があるケースというのは、商品や材料の仕入を十分にできていないケースや人手不足などサービスをきちんと提供できていない場合などが該当します。
提供すべきものがきちんと用意できない状態と言えます。
主な事例
・商品が足りない
・売る人や対応する人が足りない
・売る場所が足りない
・納品が間に合わない
価値に問題があるケース
資源に独自の価値を付加していくことができないと商品やサービスにに魅力が無いことになり、顧客に選んでもらえません。
顧客との価値のミスマッチは売上があがらない最も大きな原因になることが多いです。
主な事例
・料理がおいしくない
・サービスや対応が悪い
・店舗が汚い
・商品やサービスの提供を受けても顧客にメリットがない
販売に問題があるケース
商品やサービスを提供する準備はできていても集客や営業が十分でなければ、それを販売して売上を上げていくことができません。
資源や価値はもう十分に準備が整っているのに、お客さんがこないとか不足しているということであればそれは販売(セールス・マーケティング)活動に問題があることになります。
主な事例
・席が埋まらない
・従業員がいつも暇そう
・稼働率が悪い
・いつも在庫の山
このように売上があがらない原因を種類別に判断して、その問題を解決することで効率よく売上高を改善していくことができるようになります。
売上が増やせない原因別・解消方法
原因を判定したら次は具体的な解決方法です。
こちらも3要素の種類別に説明していきます。
具体的な細かい手法については、後ろの項目の「売上アップ手法100」を参考にしてください。
資源に問題があるケース
資源に問題がある場合は、資源を上手に増やす工夫と現状の資源の見直しが必要です。
資源を確保するには資金力がものを言いますが、資金力が乏しくても工夫やアイディア次第で資源を上手に増やしていくことはできます。
具体的な例としては、
・商品の仕入れ方法を委託販売形式に変更
・仲間とシェアして立派なお店や事務所を借りる
このような工夫をすることで、通常の資金力では手に入れられない資源を手に入れられることもあります。
また既にある資源を有効活用できていないこともあります。
売るものがないと思っていたら、倉庫に大量の在庫があるなどというのは大きな問題です。
売上への貢献度が低いものは換金するなどして、もっと売上に貢献する資源の確保に努める必要があります。
最も効率良く売上に転換できる資源へのシフトが売上へ反映されていくことになります。
そしてそのノウハウこそが次項の価値の一つへとつながっていきます。
アイディアと見直しで改善を図ります。
価値に問題があるケース
価値の大きさがその企業の利益を左右します。
資源の調達金額と売上金額の差額がその企業の価値です。
価値を上げるために具体的に必要なことは以下の二つです。
・自分たち独自の価値を見出しそれを伸ばすこと
・顧客が求めている本質的な要望を把握すること
この二つを実行して、自分たちの価値と顧客の要望をマッチングさせることで企業の価値は大きなものとなります。
前項目で述べた資源を上手に調達するノウハウも価値のひとつです。
自社の価値と顧客の要望をマッチングさせることで価値は上がっていきます。
販売に問題があるケース
資源と価値が十分であって、販売活動だけに問題がある場合は、実は問題の解決はそれほど難しくありません。
販売や営業活動に対しては苦手意識がある方も多いのですが、仕組み作りなどがうまくいけば簡単に販売活動がうまくいくようになります。
世の中にはセールス・マーケティングに関する本や資料が山ほどあります。
そしてその細かい方法については無限と言って良いほどあります。
その中からトライ&エラーにより自分たちに合った方法を見つけていけば、売上はどんどん増えていきます。
後述する「売上アップ手法100」のうち半分以上はこの「販売」にかかるものです。
様々な方法の中から最適な方法を見つけていただければと思います。
売上が増えない原因を損益計算書で判断する方法
売上があがらない原因を損益計算書から判断する方法もあります。
細かいところまでは分析できませんが、大枠はこちらで判別することができます。
売上
損益計算書の売上は主に「販売」と関連します。
経費に対して売上が少なく利益が出ないという場合は、販売活動に力を入れることで損益は改善していくという考え方ができます。
売上総利益
損益計算書の売上総利益(粗利)はその企業の「価値」を表します。
利益率が低い場合は、価値が低下していることになるので、価値を上げるための努力が必要になります。
売上原価・経費
損益計算書の売上原価と経費は「資源」と関連します。
ここが少な過ぎる場合は、売上をあげていく力がどうしても小さくなります。
逆に過大となれば経費倒れということになってしまいます。
売上アップ手法100
最後に以前のセミナーで使用した売上アップ手法100という資料を基に「資源」「価値」「販売」に再分類して記載しておきます。
若干かぶっていたり、解釈によっては分類が違っていたりするかもしれませんが、そこは完全に分類しきれない項目もあるものとご了承ください。
業種やビジネスによっては他にも沢山あるかもしれませんし、逆に全く使えないものもあると思いますが、利用できそうな項目は是非参考にしていただければと思います。
基本的には全部採用するくらいの意気込みで手を打っていただければ、売上アップは間違いないはずです。
資源に関連する売上アップ手法・11
・商品の提供量を増やす |
・サービス人員を増やす |
・ラインナップを増やす |
・品ぞろえを良くする |
・店舗を増やす |
・量産体制を構築する |
・無駄なスペースを有効活用する |
・関連商品を取り扱う |
・新しいサービスを追加する |
・仕入先、外注先を増やす |
・セルフサービスを導入する |
価値に関連する売上アップ手法・32
・相手のメリットになる提案をする |
・説明をする |
・アピールポイントを洗い出す |
・小分けにする |
・まとめ売りする |
・特急料金を設定する |
・料金体系をわかりやすくする |
・メニュー表をつくる |
・限定商品をつくる |
・高額商品を用意する |
・日替わり商品を用意する |
・繁忙期は料金を高くする |
・コンセプトを明確にする |
・ブランディングする |
・ショルダーネームを付ける |
・値上げする |
・上位2割の顧客にスポットをあてる |
・支払手段・決済方法を増やす |
・出張型に変える |
・シェアビジネスに変更する |
・レンタルにする |
・定額制を導入する |
・置き薬方式を採用する |
・フォローアップを行う |
・オプションを付ける |
・グレードをつくる |
・リニューアルする |
・シリーズ化する |
・パッケージを変える |
・商品のターゲットを変える |
・シルバー向け商品にする |
・子供用商品にする |
販売に関連する売上アップ手法・57
・DMを送る |
・HPを作る |
・リストを取得する |
・ネット広告を出す |
・タウン誌に広告を出す |
・折り込み広告をだす |
・ツイッター広告を出す |
・Facebook広告を出す |
・インスタ広告を出す |
・アフィリエイトを使う |
・クーポンを発行する |
・知り合いに頼む |
・知り合いを増やす |
・紹介手数料を支払う |
・業務提携する |
・無料相談をする |
・フリーダイヤルを採用する |
・FAX注文フォームを作る |
・メールで注文可能にする |
・注文しやすいウェブページにする |
・イベントをする |
・季節のキャンペーンをする |
・目玉商品を用意する |
・代理店を増やす |
・以前の顧客にアクセスする |
・ツイッターで情報発信する |
・Facebookで情報発信する |
・ブログで情報発信する |
・インスタグラムで情報発信する |
・ニュースレターを発行する |
・ホワイトペーパーを発行する |
・連絡をとる |
・キャンペーンを打つ |
・看板を作る |
・看板を変える |
・ショッピングモールに登録する |
・集客サービスを使う |
・営業マンを雇う |
・営業マンを増やす |
・ポイントカードを発行する |
・SEO対策をする |
・顧客リストを増やす |
・理由をつけて安くする |
・閑散期は料金を安くする |
・口コミを活用する |
・プレリリースをする |
・クラウドファンディングを募集する |
・メルマガを発行する |
・LINE@を開始する |
・オークションに出品する |
・返金保証をつける |
・〇〇放題にする |
・おまけをつける |
・人とたくさん会う |
・セミナーを開催する |
・勉強会を開催する |
・説明会を開催する |
正しい売上の増やし方・まとめ
売上をあげていくためには、「資源」「価値」「販売」の3要素を正しくバランスよく増やしていくことが必要です。
これらをどのように効率的に増やしていくのかが勝負の分かれ目となります。
基本的なことは損益計算書などの基本帳票から確認して分析して、足りない部分については「売上アップ手法100」にある様々な方法の中から自社に合った方法で解決していただければと思います。