今年も残りわずかということで個人の節税対策について確認しておきたいと思います。

給与所得者である個人の方の場合、会社と違って節税対策も限定されてしまいます。
しかし全く対策がないわけではありません。

個人の節税対策について代表的なものを列挙していきたいと思います。

個人の節税・5つの対策

わたしたち個人の収入にかかる税金は
暦年(1月1日から12月31日)で計算されます。
会社のように決算月はありませんので、すべての方がこの1年間で計算します。
つまり個人の節税対策は12月31日が期限になります。

今回は以下の5つの対策にてついて簡単にご説明させていただきます。

(1)小規模企業共済
(2)損益通算
(3)ふるさと納税・寄付
(4)保険加入
(5)扶養控除などの適正化

(1)小規模企業共済

こちらは小規模企業共済年払いで加入するというものです。

本来は計画的に月払いで掛けていくのがお勧めですが、
「今年突然所得が増えてお金が余っている」
という方については、この時期に年払い(半年払いもあり)することにより
大きな節税効果が期待できます。

ただし掛金上限が年84万円、加入に一定の条件があります。

(2)損益通算

株式売買

今年は昨年のコロナショックから回復し
日経平均が31年ぶりの高値をつける上昇基調の年となりました。
株式売買で利益を出した方もいらっしゃるのではないでしょうか。

このような場合、同じ取引による利益相殺できます。
専門用語では「損益通算」といいます。

抱えている含み損のある銘柄を売却することにより
節税できる可能性があるということになります。

「今年株式売買で大きく利益を出した」
「同時に損失で塩漬けとなっている銘柄もある」

という場合は、一旦その株式を今年中に売却することによって節税となります。

不動産売買

不動産相場も相変わらず高値で推移しています。
不動産を売却して利益を得た方もいらっしゃるかと思います。

不動産売買で利益を得た場合も、同じく含み損がある不動産を所有していれば、
節税の可能性が出てきます。
(ただ株式のように簡単に売買できないのが実情)

生命保険等

生命保険等の貯蓄型商品などで利益を得た場合も同様となります。
大きく損を出している商品で不要な保険については、
今年のうちに解約しておくと節税になるケースが考えられます。

損益通算の注意点

注意が必要なのは、

・株と不動産での相殺など種類が違うものは相殺出来ない
・同種類と思われるものでも、一部相殺が制限されている


などの場合です。
詳しいことは弊所までご相談下さい。

(3)ふるさと納税・寄付


年末までに寄付金控除の対象団体へ寄付をすることにより節税となります。

話題のふるさと納税も寄付金控除の一つです。
地方自治体に寄付をすると、寄付金に相当する税金が控除されるという制度です。

控除の上限がありますが、きちんと計算して寄付をすれば2,000円の負担で様々な返礼品がもらえることになります。

ふるさと納税自体は、厳密にいうと節税とはいえないのですが、
年末までにふるさと納税サイトなどでチェックしてみてはいかがでしょうか?

(4)保険加入

生命保険、介護保険、個人年金などに加入することにより一定の控除が受けられます。

控除金額は少ないのですが、年金などは貯蓄になるので、
貯蓄しながら節税することが出来ます。

必要な保険商品であれば節税を兼ねて加入してもいいと思います。

(5)扶養控除などの適正化

ご家族で収入が少ない方がいらっしゃる場合、
その方の生活を応援したり面倒をみているケースがあるかと思います。

その場合扶養親族として税の控除が受けられます。

意外と親が扶養親族になるというケースなどありますのでご確認ください。
その場合同居でなければ、生活費を送金しているなどの一定の条件が必要です。

個人の節税対策・注意点

・資金支出を伴う
これらの対策は会社の節税と一緒で、お金を失ってしまっては意味がありません。
お金を支出する対策は一時的であってもお金が出て行くので、
余裕資金で対応しなければならない点にお気をつけください。

・手続きはお早めに
どの対策についても、あまり年末に近くなると手続きが間に合わない可能性があります。
早めに手続きできるように検討をすすめましょう。

個人の節税対策・まとめ

個人個人によって状況は様々です。
これらの他にも医療費控除など状況によっては別の対策ができることもありえます。
思い当たることや疑問点がある場合には遠慮なく弊所までご相談ください。