先日日銀がインフレターゲット1%を発表して
デフレ脱却に強い決意を示しました。

白川総裁は会合後の記者会見で
「どうすれば、中央銀行の責任を果たせるか、真摯に考えた」
と説明したとのことです。

円高、デフレを克服するためには、日銀がお金を刷れば解決する
という考え方が日銀にプレッシャーとして伝わり、
このような発表に繋がったのかどうかは定かではありませんが、
円高に苦しむ輸出企業の決算発表を目の当たりにして、
このような発表をせざるを得なかったのかもしれません。

そんな中、早くも本気かどうか疑わしいという声が出始めています。
実際は金融の引締めが行われているとか、
今までのデフレ政策をそう簡単に転換できないとか、、

データでみると確かにお金の供給は減っています。
本気かどうかは今後の純供給量で判断することになりそうです。

そもそもインフレがいいのか、それともデフレがいいのか

という根本的な問題があります。

日本には最悪のシナリオとして、
ハイパーインフレになる可能性があると指摘されています。

ハイパーインフレとはものすごい勢いで物価が上昇し続ける状態をいいます。
ゆるやかな上昇であれば景気上昇にもつながりますが、
ハイパーインフレは違います。

ハイパーインフレが発生すると低めでも物価が1年で2,3倍、
場合によっては10倍から100倍くらいにまで達する場合もあります。

具体的には缶ジュースが1本1万円とか、お米5キロ20万円、
みたいな感じで、お金の価値が急激に目減りしていきます。

サービス業や給与所得者はその値段をインフレに合わせて転嫁できないので、
事業が成り立たなくなったり、生活できなくなってしまいます。

相当悲惨な状況になるわけですが、実際に過去に世界各地で起きています。
ジンバブエでは年220万パーセント上昇という桁はずれな上昇を記録しており、
そこまで行くと何が起きているのか理解不能で、もう笑うしかないですよね。

今まではデフレは景気に良くないと
デフレを克服しようとしない日銀が非難されてきましたが、
今月の会合をきっかけに日銀はデフレ克服へ大きく舵を切りました。
本気かどうかは別ですが、明らかな方向転換です。

それはそれで歓迎すべきことですが、
逆に考えれば、将来インフレになって生活が苦しくなる可能性もあるわけで、
今の状況を思い出し、あのころは良かったなぁと感じるのかもしれません。