最近はあまり耳にしませんが、民主党が政権交代を果たした頃に
「東アジア共同体」構想なるものが、にわかに騒がれていました。
ユーロみたいなものかなと軽く考えていたのですが、
今のユーロを見ていると手放しで賛成できるものでは無さそうです。
財政や政治は別々で、通貨のみ単一という仕組みは
今のユーロを見ていれば問題が多いことがわかります。
ギリシャのように公務員が多すぎて財政赤字がどんどん膨らむ国家と
一生懸命自由経済のもとで経済活動をし、
好景気なドイツのような国の通貨が同じ価値なわけはありません。
ドイツ国民からすれば、なんでギリシャのために税金を使う必要があるのか
と、文句のひとつでも言いたくなることでしょう。
では逆にドイツにとって単一通貨のメリットはなんでしょうか。
これは輸出国であることがポイントになります。
ドイツは今年、ユーロ安の影響で輸出額が前年比で12%も増え
初めて1兆ユーロを突破する見通しとなっています。
つまり日本と違い、経済や財政が好調でありながら通貨が安いことから
大幅な貿易黒字を計上するという恩恵を受けているのです。
ここで問題なのが、財政が苦しい他の国々の言い分。
ドイツは我々の財政赤字のおかげで多額の利益をあげているのだから
他の財政が苦しい国家の面倒を見るのは当然と言わんばかりだとか。
そう言いたくなる気持ちはわかなないわけではないのですが、
国家ぐるみで無責任及び他人頼みなことを言うようでは、
お先真っ暗なような気がします。
「自己責任」という当たり前のことが、
問題解決には一番大事なのではないかと思います。