以前ある方からこんな相談が。

その方はあるテナントの大家さんで息子さん夫婦にお店を貸していました。

最近お店の売り上げも芳しくなく、家賃もここ数年で何度か下げているそうです。家賃を下げてあげることで息子さん夫婦の生活の応援をしていたということです。
しかし何度家賃を下げてあげても家賃をもらっていることには変わりなく、下げたことは忘れられ感謝もされないと。少し悲しそうでした。この方も特に生活が楽なわけではなく、できればもらわずに暮らせればいいのですがそうもいきません。困った様子でした。

でも今回も生活を応援するために家賃を下げてあげないといけないと。

もらった収入には不動産所得として所得税、住民税がかかります。だから家賃を下げれば下げただけ税金は減ります。

でもわたしはここでそんな税金のセオリーを無視して家賃を下げるのはやめて、直接生活費を応援してはどうかという提案をしました。

つまり、もらうものはしっかりもらって応援する部分はしっかりわかるように応援してあげるということです。もちろん税金上不利です。無駄な所得税や住民税を払うことになります。
でも家族はありがたさを実感できると思いました。
困ったときにしっかり直接応援してあげる。
これがこのケースの場合一番いい方法ではないかと判断しました。
単純な損得だけではない、生きたお金の流れであると。

最近お会いしてその後の経過を確認しました。

家賃を下げて応援しようと思っていた分の一部は、今はお孫さんの習い事の費用になっているそうです。そして余った分はたまに食事をごちそうしていると嬉しそうに話してました。
所得税を払った後のお金で生活費を応援しているわけですから税金上は不利な選択です。しかし息子さんご夫婦やお孫さんは、その方にとっても感謝しているようでした。

多少の税金の負担などなんの問題もありません。
ご本人も納得のうえですし、何よりもこの結果を非常に喜んでいらっしゃいました。

家族が仲良く笑顔で暮らすお手伝いができたかと思うとわたしも本当に嬉しく思いました。